AAADAAは、古くから馬具、衣料品、本の装丁用の革をつくってきたフランスやイギリス、日本のタンナーから仕入れた材料をもとに、100年前と変わらない手法で工具を仕立て、革を切り、糸で縫い、素朴ながらも力強く美しい製品をつくることを目指す工房です。

 

 

 

ヨーロッパの給仕係が精算時に使用するギャルソンウォレットや、アメリカのトラックドライバーがレシートなどを入れるためのトラッカーウォレット、氷の塊を入れて運ぶために開発されたトートバッグなどの、実用的な道具に惹かれて製作しています。

 

 

 

 

製品は全て手縫いでつくられています。手縫いである理由は、その構造的強度はもちろん、生物の一部である革という素材に対しての考え方のようなものです。原材料や工具の選択も同様です。

     

 

 

デザインに関しては、最小限です手も道具の一部だと考えると、その人なりの方法で使うことがいいと思うからです。はじめはとっつきにくいものでも、だんだんと自分のものになり、馴染んでいく、そのような物。

 

 

 

革製品には滅びの美学があると言われます。人間は物を所有するときに、それ自体に何らかの感情を抱くことがあります。滅びゆく表面にさえ美を求める独特な感情はどこか神秘的です。

 

 

 

 

AAADAAは「沈んだ無機質な緑色」のカラーコードでもあります。緑色といいながら灰色のような色です。

時が経ち、革の色も常に変化しながら、見えているものがそのとおりの色でないとしても美しくあってほしい。そんな願いを込めています。